施行日:2026年1月1日 / 法律:Act 199(House Bill 2278)/ 対象:ハワイ州内で販売されるマカダミアナッツ製品
1月初旬、クアロア地区にあるマカダミアナッツの名所「トロピカルファーム」を訪れました。
あいにくの雨模様でしたが、ツアーバスやレンタカーで訪れる多くの観光客で店内は活気に溢れていました。意外にも日本人の姿はほとんど見かけず、ローカルや欧米の旅行者に人気のスポットであることを実感します。
店内では、多彩なフレーバーのマカダミアナッツの試食や、ハワイ産コーヒーの試飲が楽しめます。実際に味を確かめてから、お土産や滞在中のおつまみとして納得の一品を選べるのが大きな魅力です。
周辺にはフリフリチキンの名店やクアロア牧場もあり、観光には最高のエリアです。クアロア・リージョナル・パークからは、雄大なコオラウ山脈や海に浮かぶ「チャイナマンズハット」の絶景を望むことができます。
※撮影のご依頼も承っておりますので、お気軽にご相談ください。クアロア牧場は、アクティビティに参加しなくても入場自体は無料です。「チャンスの神様」へのお参りやお土産購入も可能です。

ところで、ハワイ土産の定番であるマカダミアナッツについて、大切な変化があったことをご存知でしょうか。
2026年1月1日より、マカダミアナッツの新しい表示規制(Act 199)が施行されました
Act 199(HB2278)の概要
この法律の目的は、ハワイ産マカダミアナッツのブランド価値を守り、消費者の誤認を防ぐことです。
ハワイ経済において重要な役割を果たすマカダミア産業を保護するため、「truth-in-labeling(表示の真実性)」がこれまで以上に厳格化されました。
主な規定
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施行日 | 2026年1月1日 |
| 表示義務の厳格化 | ハワイ産以外のナッツが混ざっている場合、その事実をパッケージ上で明確に開示する義務が発生。 |
| 対象製品 | 生のナッツ、ロースト、味付けされたマカダミアナッツ製品。 |
| 適用除外 | チョコレート、クッキー、アイスクリーム、パン、バーなど、マカダミアナッツが「主要原材料(predominant ingredient)」ではない加工品。 |
企業側に求められる対応
- ラベルの改訂:表示位置・フォントサイズ・背景とのコントラストの確保。
- 原産地管理:仕入れ先のトレーサビリティ(追跡可能性)と証明書類の整備。
- マーケティングの見直し:「ハワイ風」といった曖昧な表現の削除、または事実に基づいた修正。

ラベル表示の具体例:賢く選ぶための実用知識
新法により、外国産ナッツが含まれる場合には以下の文言の表示が義務化されました。
"This package contains macadamia nuts that were not grown in Hawaiʻi."(このパッケージには、ハワイ州外で栽培されたマカダミアナッツが含まれています)
この表示について、以下の点に注意が必要です。
- 具体的な産地は記載不要:南アフリカ産や中国産など、具体的な国名の記載義務はありません。
- 混入割合も記載不要:「〇〇%が外国産」といった数値表示も義務ではありません。
- 表示場所:裏面の原材料欄付近に小さく記載されるケースが多いと予想されます。
- 視認性:白背景に黒文字など、コントラストの高い表示が推奨されています。
一方で、ハワイ産100%の製品にのみ使用が許される表現も明確化されました。
「100% Hawaii-Grown Macadamia Nuts」
「Hawaii-Grown Macadamia Nuts」
「100% Hawaiian Macadamia Nuts」
「Hawaiian Macadamia Nuts」

2026年以降、これらの表記があれば法的に「ハワイ産100%」であることの証明となります。逆に、これらの表記がなく、かつ「Not grown in Hawaiʻi」の文言もない製品は、産地が不明確であるといえます。
大手ブランドへの影響
ハワイ最大手の「Hawaiian Host Group」を例に挙げると、主力商品である「Hawaiian Host」のチョコレートがけ製品は、今回の法律の適用外(マカダミアが主要原材料ではない加工品扱い)となります。
一方で、フレーバーナッツを主力とする「Mauna Loa」ブランドは、ほぼ全製品が表示義務の対象となります。
なぜ外国産ナッツが混ざるのか?(背景と現状)
「ハワイのお土産なのに、なぜ外国産が含まれるのか?」という疑問には、構造的な理由があります。
- 限られた生産量 ハワイの収穫量は年間約3,700万ポンドですが、世界シェアで見ると約5%にすぎません。南アフリカやオーストラリアなどの大規模生産国と比較すると、供給力が限られています。
- 高いコスト構造 全米でも生活費が高いハワイでは、労働力や土地のコストが割高です。安価な輸入品との価格競争において、構造的な不利を抱えています。
- 加工工程の海外移転 一部のメーカーでは、コスト削減のために加工施設を閉鎖し、工程を海外へ委託する動きが進んでいます。
- ブランド力と需要のギャップ 「ハワイ産マカダミア」のブランド力は極めて高く、需要に対して地元産の供給が追いついていないのが実情です。
この法律は、ハワイの農業を守る「転換点」
この新法は、単なるラベルの変更ではありません。消費者の誤解を解き、本物のハワイ産ナッツに正当な価値を取り戻すための重要な一歩です。
トロピカルファームの代表である Tufaga 氏は、新法によって同社が完全なハワイ産であることをより明確に示せるようになったと歓迎しています。
科学的に見た「ハワイ産」の美味しさ
ハワイ産マカダミアナッツが高い評価を受けるのには、以下のような理由があります。
- 火山性土壌:ミネラル豊富な溶岩性土壌が、風味の複雑さを生み出す。
- 理想的な気候:ハワイ島(ビッグアイランド)の安定した日照と降雨が、ナッツの油分と甘みのバランスを最適化する。
- 厳選された品種:ハワイで主に栽培される品種(Beaumont, H2など)は油脂含量が高く、クリーミーな味わいが特徴。
本物のハワイ産を選ぶためのチェックリスト
お土産を購入する際は、パッケージの裏面を以下の基準で確認してみましょう。
| 確認項目 | 判断基準 |
|---|---|
| 「100% Hawaii-Grown」等の表記 | 【安心】 法的に100%ハワイ産の証明です。 |
| 「Not grown in Hawaiʻi」の文言 | 【判明】 外国産が混入していることを示しています。 |
| どちらの表記もない場合 | 【不明】 産地が不明確です。農場直売での購入を検討しましょう。 |
| チョコがけ・クッキー等の加工品 | 【対象外】 表示義務がないため、原材料欄から判断する必要があります。 |
購入場所別のアドバイス
- コンビニ・ドラッグストア(ABCストア等) 手軽ですが、外国産混入品も多い傾向にあります。2026年以降は「Not grown in Hawaiʻi」の表示をよく確認してください。
- スーパー(ドンキホーテ・ウォルマート等) まとめ買いに便利ですが、価格だけでなく「100% Hawaii-Grown」の表記があるかチェックを忘れずに。
- 空港のギフトショップ ハワイ産以外の製品が混在し、価格も高めな傾向があります。時間があれば、街中やファームでの事前購入がおすすめです。
- ファーム直売店(最も確実) トロピカルファームのような直売店は、100%ハワイ産・ハワイ加工を貫いています。試食もでき、産地も明確なので最も安心です。
「マラマ(思いやり)」のある選択を
ハワイ産のナッツを選ぶことは、単なる買い物以上の意味を持ちます。それは、何世代にもわたって土地を守ってきた地元農家を支援し、ハワイの農業という文化を次世代へ繋ぐ「マラマ(思いやり)」の体現です。
「ハワイに来たから買う」のではなく、「ハワイ産を選ぶことでハワイを守る」。そんな意識を持った旅が、これからのハワイ観光のスタンダードになっていくでしょう。
参考リンク(一次情報)
関連記事
- マラマとは何か:2026年ハワイが求める旅行者像
- 聖なるハーブを守れ。ハワイ固有種「ママキ」の名が法で守られる理由
- スーパーのアヒポケ、「地元産」は本当?
- ハレアイナ賞・イリマ賞で知るハワイの絶品レストラン
- ハワイ旅行で失敗しない!「真のコナコーヒー」判別術
免責事項
本記事の情報は、ハワイ州法 Act 199 (HB2278) の原文および公的機関の発表に基づき、2026年4月30日現在の最新情報を反映して作成しています。法令の解釈や運用、および各メーカーのパッケージ対応状況は今後変更される可能性があります。本記事の利用により生じたいかなる不利益についても、筆者は一切の責任を負いかねます。最新かつ正確な情報については、必ずハワイ州政府公式サイトをご確認ください。