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2027年以降のハワイ州税はどうなる?Act 46減税プランの行方と今から備える節税ポイント

2027年以降のハワイ州税はどうなる?Act 46減税プランの行方と今から備える節税ポイント

2024年に成立したAct 46(Green Affordability Plan II)は、2024年から2031年にかけてハワイ州の所得税を段階的に引き下げる、ハワイ史上最大の減税プランです。

ところが2026年1月、Josh Green知事が連邦補助金削減による財政悪化を理由に、2027年以降の減税を事実上凍結・廃止する法案を議会に提出しました。

「せっかく税金が下がり続けるはずだったのに」——そんな状況の中、今の段階で何を確認し、何に備えればいいのか。この記事では不動産オーナー・ビジネスオーナー・中長期でハワイに住む方に向けて解説します。

重要:本記事は2026年4月時点の情報です
2026年の恩恵(標準控除引き上げ)は確定していますが、2027年以降については現在議会で審議中です。今後の動向により内容が変わる可能性があります

Act 46(Green Affordability Plan II)とは
2031年までの8年間ロードマップ

Act 46は2024年6月にJosh Green知事が署名した法律で、「ハワイ史上最大の所得税減税」と称されました。単純な一回限りの減税ではなく、8年かけて段階的に税負担を下げていく仕組みです。
具体的には「偶数年に標準控除を引き上げ、奇数年に税率区分を拡大する」という交互のフェーズで構成されています。

課税年度別スケジュール

課税年度内容申告タイミング状況
TY2024標準控除の引き上げ(第1回) :単身$2,200→$4,4002025年申告・済✅ 完了
TY2025税率区分の大幅拡大(第1回):最高税率11%の適用が$200,000→$325,000超に2026年4月20日期限✅ 確定
TY2026標準控除のさらなる引き上げ(第2回)2027年申告✅ 確定
TY2027〜2031税率区分拡大・標準控除引き上げ(第2〜5回)※最終的に単身$12,000、共同申告$24,000まで拡大予定2028年〜申告⚠️ 凍結・廃止提案中

すべてが実施されると、年収$88,000の4人家族で5年間に約$20,000の節税効果があると試算されていました。それが今、2027年以降の実施が危ぶまれています。

なぜ減税が凍結されるの?——背景と現状

Green知事が2027年以降の凍結を提案した直接の理由は、連邦政府の補助金削減です。連邦の政策変更によりハワイ州経済から約30億ドルが失われ、州財政に深刻な影響が生じているとされています。

知事側は「凍結により18億ドルの州税収を確保し、食の安全保障・子どもの保育支援などに充てる」と説明しています。一方で、Tax Foundation of Hawaiiの代表は「これは一時凍結ではなく、事実上の廃止だ」と見なしているが、法律としてはまだ審議中です。

単身・年収$75,000の方が2027〜2031年に失う節税額は、試算で約$3,855とされています。

📌 現時点でのポイント

  • TY2025(2026年4月20日申告期限)とTY2026の恩恵は確定しています
  • 2027年以降は議会審議の結果次第で変わります
  • 大きな資産移動・売却を検討している方は、審議結果確定後に意思決定することをおすすめします

確定している恩恵を最大化 今からできる節税ポイント

TY2025(2025年分の申告):税率区分の拡大を活かす

2025年の給与天引き額(源泉徴収)は前年より減っているはずです。年間の実質的な節税効果を申告書で確認しましょう。

また、標準控除か項目別控除のどちらが有利かを比較することが例年以上に重要です。住宅ローン利子・慈善寄付・医療費などを合算して、標準控除額を超えるかを確認してください。

なお、2025年分の申告期限は2026年4月20日です。期限を過ぎた場合でも延長申請(自動6ヶ月)が可能ですが、納税額がある場合は延長後も利子・ペナルティが発生するため、早めの対応をおすすめします。

TY2026(来年の申告):標準控除のさらなる引き上げに備える

2026年度は標準控除が再度引き上げられます。これは「確定している」恩恵です。

項目別控除との損益分岐点が変わるため、住宅ローン利子・慈善寄付・医療費などの領収書・記録を今から管理しておきましょう。2026年末までの支出タイミングで節税効果が変わる場合があります。

TY2027以降:「確定後に動く」が基本戦略

大きな資産売却・事業売却・不動産売却などのタイミングを検討している方は、2026年5月の議会会期末までに見込まれる審議結果を確認してから意思決定することをおすすめします。

なお、連邦税はTCJA恒久化により大きな増税リスクはなくなっています。ハワイ州税の動向を注視しながら、連邦側の控除・免除額の変化にも目を向けておきましょう。

ハワイに不動産を持つ日本の方へ Form N-15の注意点

ハワイ在住者だけでなく、日本に住みながらハワイに不動産を持つ方にも申告義務があります。以下のポイントを確認してください。

  • ハワイ州に不動産収入がある非居住者(日本在住の方を含む)は、Form N-15での申告が必要
  • Act 58(PTE税変更)は、LLC名義で不動産を保有している場合にも影響する可能性がある
  • ハワイ州の所得税はハワイ源泉の所得のみが対象(他州・日本の所得は不算入)
  • 申告期限は居住者と同じく4月20日(自動6ヶ月延長は納税猶予には適用されない)
  • ハワイ州と連邦の両方への申告が必要。日米租税条約の適用も確認を
  • 短期賃貸(Airbnbなど)にはGeneral Excise Tax(GET)の申告義務も別途ある

税理士・CPAに相談すべきケース

  • LLC・パートナーシップ・S法人をハワイ州で保有している(Act 58の影響を確認)
  • ハワイに不動産収入があり日本に居住している(Form N-15 + 日米租税条約の確認)
  • 2026年以降に不動産・事業の大きな売却を予定している(Act 46凍結の行方次第でタイミングが変わる)
  • 日米二重申告が必要な状況にある(FBARや外国口座の報告義務も含めて確認)
  • 暗号資産の取引が多い(Form 1099-DAの新設 + ハワイ州での取り扱いも確認)

2027年以降の減税「凍結」に向けた最新の動き(2026年4月時点)

ハワイ史上最大の減税として期待されたAct 46ですが、現在その「2027年以降のフェーズ」を事実上停止させるための具体的な法案が議会で審議されています。これはJosh Green知事が2026年1月に発表した財政再建策を形にするものです。

注目すべき2つの法案:HB2306 と SB3125

現在、以下の2つの法案が並行して審議されており、どちらかが最終的に成立する可能性が極めて高い状況です。

法案番号2026年4月時点のステータス主な内容
HB2306下院通過・上院WAM委員会審議中2027年以降の税率階層拡大を停止。高所得層の税率を一部引き上げ
SB3125上院通過・下院委員会審議中HB2306と同様の減税停止措置に加え、州財政の調整枠を設定。

これらの法案が成立した場合、当初Act 46で約束されていた「2027年〜2031年にかけての段階的な所得税減税」は実施されないことになります

審議中の法案リンク
HB2306 Status
SB3125 Status

今後のスケジュールと注意点

  • 2026年5月上旬:ハワイ州議会の会期末。この時期までに法案の最終的な成否が確定します。
  • 確定した恩恵:TY2024・TY2025・TY2026の減税措置はすでに現行法(Act 46)として施行されており、今回の法案の影響を受けません。
  • 不確実性への備え:2027年以降に大きな資産売却や投資を計画されている方は、2026年5月の議会閉会後に発表される最終決定を確認してから判断することをおすすめします。

ハワイ州の財政状況は、連邦補助金の動向やマウイ島復興支援の影響で刻々と変化しています。「決まっていたはずの減税」が変更される可能性があるという事実は、ハワイでの中長期的な資金計画において最も注視すべきポイントです。

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【免責事項】 本記事は2026年4月時点の公開情報に基づいた一般的な解説であり、特定の法的・税務的アドバイスを目的としたものではありません。ハワイ州税制は現在議会で審議中であり、今後変更される可能性があります。不動産売却や事業計画などの具体的な判断にあたっては、必ず公認会計士(CPA)や税理士などの専門家にご相談ください。最新情報はハワイ州税務局(tax.hawaii.gov)にてご確認ください。

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