ハワイの名物フードといえば、やはり「アヒポケ」です。 アヒとはキハダマグロまたはメバチマグロのことで、実際に暮らしている感覚では、メバチが使われることが多いように思います。「ポケ」は“切る”という意味を持ち、マグロのぶつ切りをハワイ風にアレンジしたもの、とイメージすると分かりやすいでしょう。
お店ごとに味付けが少しずつ違い、同じ店舗でも複数のフレーバーが並んでいます。 私自身も長く住んでいると、つい価格を重視してしまい、スーパーの量り売りをよく購入しています。
そんな身近で人気のアヒポケですが、2026年7月1日から、産地表示を義務づける Act 238 が施行されることになりました。
Act 238 の概要
法律名:ACT 238(HB534)
目的:小売店で販売される「アヒ(マグロ)」の産地を明確にし、消費者の誤解を防ぐとともに地元漁業を保護すること。
主な施行内容
ハワイ州内の小売店は Raw processed ahi を販売する際、そのマグロが水揚げされた国名(産地)をラベルに明記することが義務づけられます。 さらに、産地表示のない状態での保管・販売・展示・勧誘はすべて禁止されます。
背景と課題:
- ハワイのマグロ漁業は年間1億ドルの価値がある重要産業
- 一酸化炭素(CO)処理された外国産冷凍マグロが市場を独占していること
- 「調理し立て(prepared fresh)」「作り立て(freshly made)」「地元産(locally made)」といった表記によって、消費者が輸入冷凍マグロを地元産と誤解して購入している現状があること
アヒの定義
- 天然・遠洋を含む キハダマグロ、メバチマグロ
- Raw processed ahi の定義:カット、角切り、スライス、ミンチなどの加工 + 塩ネギ、海苔(リム)などと混ぜ合わせた「ポケ」の状態
対象となる店舗
年間23万ドル以上の生鮮・冷凍農産物を仕入れる小売店(主に大手スーパーなど)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施行日 | 2026年7月1日 |
| 対象 | PACAライセンスを持つ小売店でのアヒ販売 |
| 対象外 | レストランや飲食店(法律上の対象から除外) |
| 義務内容 | 産地国の表示。違反時は保管・販売・展示・勧誘がすべて禁止 |
概要のまとめ
2026年7月1日以降、スーパーなどで販売されるアヒポケや刺身用マグロは、「どこの国で水揚げされたマグロか」を必ず表示する必要があります。
「地元産」や「新鮮」という言葉に惑わされ、実は一酸化炭素処理された外国産冷凍マグロを“ハワイ産”だと思い込んでしまう消費者を守るための取り組みです。
一酸化炭素処理された冷凍マグロについて
一酸化炭素処理された冷凍マグロは FDA で使用が認められており、赤い色を長時間保ち、変色を防ぐ効果があります。しかし日本では偽装問題が繰り返されたこともあり、厳しい規制が行われています。
ハワイの市場では、この一酸化炭素処理された冷凍マグロが大きなシェアを占めています。 旅行者の方はレストランやポケ専門店で食事をすることが多いため、結果的にハワイ産のマグロを食べているケースが多いと考えられます。一方で、この法案は主にスーパーマーケットを対象としているため、在住者に向けて地産地消を促す意図もあるのかもしれません。
確かにアヒといわれるとハワイ産というイメージが強いし、「調理し立て(prepared fresh)」や「地元産(locally made)」なんて書いてあると、つい「ハワイ産だ」と思って買ってしまいます。しかし、その裏には“産地の真実”が隠れている場合があります。
ハワイブランドを守るためにも、産地表示は大切な取り組みだと感じます。旅行で来られた方なら「せっかくならハワイ産を食べたい」と思うのが本音でしょう。
確認していって分かったこと:飲食店は対象外
この法案の対象は フードランド、セーフウェイ、ドン・キホーテなどの「PACAライセンスを持つ小売店」に限定されており、レストランや飲食店は含まれていません。
しかし、Act 238 の施行によって、飲食店にも“事実上の産地表示”を求める流れが生まれる可能性があります。 アメリカでは飲食店で「Where is this from?(どこ産?)」と尋ねることは一般的で、今後は飲食店側も積極的に情報を発信する必要が出てくるかもしれません。
口コミだけに頼らず、自分で情報を確認して選ぶ時代へと変わっていくのではないでしょうか。
本物のローカルアヒを食べたいなら
スーパーで2026年7月1日以降、「この安いポケはどこ産かな?」と確認するのも、ハワイの買い物の新しい楽しみ方になるかもしれない。
ハワイを訪れる方には、ぜひ「ハワイ産」を選んで、より満足度の高い食体験をしていただきたいと思っています。
ローカルアヒが食べられる信頼できる店の見分け方チェックリスト:
- メニューや店頭に「Local Ahi」「Hawaii-caught」の明記がある
- ポケボウル専門店(専門店は鮮度が命なのでローカル調達が多い)
- スーパーなら2026年7月以降の産地ラベルを確認する
- ファーマーズマーケットの鮮魚ブースは漁師直売が多く信頼性が高い
参考引用元(一次資料)
- ハワイ州法 Act 238(原文)
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【免責事項】
※本記事は、ハワイ州法 Act 238 の原文および公的機関の情報を基に作成した個人の解説記事です。情報の正確性には細心の注意を払っていますが、法律の解釈や運用は変更される場合があり、その正確性や完全性を保証するものではありません。ビジネスや法的な判断の際は、必ずハワイ州当局の公式サイトを確認するか、専門家へご相談ください。