「車道は危ないから」「並んで走りたいから」と思ってしまうのか歩道をシェアサイクル「biki」で走行している観光客をよく見かけますが、現実には罰金の対象になるので気を付けたいポイントです。
ホノルル市のシェアサイクル「biki」は日本人観光客にも人気ですが、実はハワイの自転車ルールは日本と大きく異なります。「bikiってどうやって借りるの?」「歩道を走ってもいいの?」「ヘルメットは必要?」——こうした疑問に、在住22年の筆者が州法・市条例の一次ソースと、現地で実際によく見かける違反パターンをもとにお答えします。
罰金を払うために旅行に来たわけではないはずです。知らずに乗って切符を切られてからでは遅いので、乗る前にこの記事で歩道走行・ヘルメット・登録方法の3点だけ押さえておきましょう。
ハワイの自転車に関するルール
自転車は法律上「車両」として扱われる
ハワイ州法(HRS §291C-142)では、自転車は基本的に自動車と同じ交通法規が適用される「車両」として扱われます。信号無視・一時停止無視・逆走などは、自転車であっても自動車と同様に交通違反となります。
💡 出典:Hawaii Revised Statutes §291C-142
歩道走行の禁止エリア
ホノルル市条例により、ビジネスエリア(商業地域)内の歩道での自転車走行は禁止されています。ワイキキのカラカウア通り・クヒオ通り周辺はビジネスエリアに該当します。州法レベルでも同様に、HRS §291C-148で「ビジネス地区の歩道での自転車走行を禁止する」と明記されています。
さらにワイキキは一般的な「ビジネス地区」規定よりも厳しく、自転車・スケートボード・ローラースケートの歩道走行が全面禁止という特別規定(ROH §15-4.6)が設けられています。「ビジネス地区以外なら時速10マイル以下で歩道もOK」という一般ルールは、ワイキキには当てはまりません。
💡 出典:Hawaii Revised Statutes §291C-148(州法)、Revised Ordinances of Honolulu §15-18.7・§15-4.6(市条例・ワイキキ特別規定)、ホノルル市交通局公式サイト(honolulu.gov/dts/bike-rules)
走行可能な場所:
- 車道の右端(路肩)
- 自転車専用レーン(ある場所)
- 住宅エリアの歩道(ビジネスエリア以外、時速10マイル以下)
ヘルメットの着用義務
ハワイ州法(HRS §291C-150)に基づき、16歳未満の自転車乗車者はヘルメット着用が義務です(15歳以下が対象)。16歳以上は法的義務はありませんが、車道走行が基本のため安全のために着用を推奨します。
💡 出典:Hawaii Revised Statutes §291C-150
自転車のその他のルール
- 夜間走行には前方ライト・後方反射材が必要(HRS §291C-147)
- 交通信号・一時停止標識に従う義務あり(歩行者信号ではなく車両信号に従う)
- 飲酒運転(DUI/OVUII)についても、自転車が「vehicle」の定義に含まれるかどうかは条文により解釈が分かれる可能性があり、現時点では断定を避けます
違反した場合の扱い
具体的な罰金額は条文には明記されていませんが、ホノルル市交通局・Hawaii Bicycling Leagueの公式情報によれば、HRS第291C章(自転車規定)の違反は軽犯罪(misdemeanor)として扱われるとされています。「罰金がいくらか」より先に、「軽微に見えて実際は刑事罰の対象になりうる」という点を押さえておくことが重要です。
bikiの基本情報と利用方法
bikiとは
biki(ビキ)はホノルル市が運営するシェアサイクルサービスです。ワイキキ〜アラモアナ〜ダウンタウン周辺に130以上のステーションが設置されています。
料金プラン(2026年参考)
| プラン | 料金 | 内容 |
|---|---|---|
| One-Way(シングルライド) | $5.00/回 | 1回30分まで。1回の購入で最大4台までレンタル可能。購入後15分以内に乗り始める必要あり |
| The Jumper(1日乗り放題) | $20 | 24時間有効。何度でも乗れるが1回あたり30分まで(超過分は延長料金) |
| The Getaway(3日間乗り放題) | $45 | 3日間有効。短期滞在の旅行者に最も相性が良いプラン |
| The Explorer / Free Spirit(時間バンク) | $55 | 300分を自由に配分して使用可能。有効期限1年。長期滞在者や翌年以降も再訪予定がある人向け |
⚠️ 料金は変更される場合があります。最新情報はbiki公式サイトでご確認ください。
利用手順
- アプリ「PBSC」をダウンロードするか、ステーションのキオスクへ
└ キオスクは画面左側の国旗アイコンをタップすると日本語表示に切り替えられます。英語に不安がある場合はアプリより現地のキオスク操作の方がスムーズなことがあります - クレジットカードで登録・支払い
- 発行された数字コードを自転車のキーパッドに入力してロックを解除
- 利用後は最寄りのステーションに返却
💡 ステーションが満車の場合は近くの別ステーションへ。アプリで空きステーションを確認できます。
電動キックボード(e-スクーター)のルール
ワイキキ周辺の電動キックボード事情
電動キックボードはハワイ州法(HRS §291C-139「電動フットスクーター」)で規制されています。「概ね規制が緩い」というイメージを持たれがちですが、自転車とほぼ同水準の義務が課されています。
州法上のルール(HRS §291C-139):
- 15歳未満は公道での利用が全面禁止。16歳未満はヘルメット着用義務(§291C-150準用)
- 同乗者は不可(定員1名)
- 荷物を片手に持つ等、両手が自由に使えない状態での運転は禁止
- 夜間(日没30分後〜日の出30分前)はライト等の装備が必要(§291C-147準用)
- 危険運転は罰則対象(§291C-161(b))
- 歩道走行禁止(車道または自転車レーンを走行)※郡条例(ROH)で規定
レンタル事業者(Lime・Bird等)独自のルール(州法ではない):
- 多くの事業者が利用規約で18歳以上を条件にしている
- 最高速度制限(概ね15〜20mph以下)は各社の車両側の設定
- 飲酒後の利用不可も多くの事業者が規約で明記(州法上の飲酒運転規定が適用されるかは自転車と同様、断定を避ける)
⚠️ 「18歳以上」「速度15〜20mph」は法律ではなく事業者ポリシーです。州法の年齢基準(15歳/16歳)と混同しないよう注意してください。
電動キックボードのOK/NG
| 行動 | 判断 |
|---|---|
| 車道・自転車レーンを法定速度で走行 | ✅ OK |
| 歩道を走行 | ❌ NG(禁止) |
| 横断歩道を乗ったまま横断(自転車・スクーターに乗車した状態のまま渡る) | ❌ NG(サドル・ハンドルから降り、歩行者として押して渡る) |
| 15歳未満の利用 | ❌ NG(州法違反) |
| 16歳未満のヘルメットなし利用 | ❌ NG(州法違反) |
| レンタル事業者の年齢条件(多くは18歳以上)を満たさない利用 | ❌ NG(事業者規約違反・レンタル不可) |
| アルコール摂取後の利用 | ❌ NG |
| 駐輪禁止エリアへの放置 | ❌ NG(罰金対象) |
現場でよくある状況
在住者が実際によく見かける3つの違反パターン
20年以上ワイキキ周辺で暮らしていると、観光客のBiki・自転車の乗り方には、いくつかの決まったパターンがあることに気づきます。特に多いのが次の3つです。
① 歩道走行+逆走(二重違反)
歩道を走ること自体がビジネス地区では違反ですが、さらに悪いことに歩道を車の流れと逆方向に走っているケースが非常に多く見られます。歩行者側からすると、進行方向の逆から自転車が向かってくるため、避けるタイミングを予測しづらく、正面から接触しそうになる場面をよく見かけます。
② 車道を走行しているが逆走
「歩道はダメだから車道を走ろう」と正しく判断したところまでは良いのですが、車道に出た後も車の流れと逆方向に走行してしまうケースが目立ちます。車道での逆走は、対向してくる自動車・他の自転車の双方から見て予測不可能な動きになるため、歩道逆走よりもさらに危険度が高い行動です。
③ 自転車レーンがあるのに歩道を走行
ワイキキ・アラワイ運河沿いの一部区間には自転車専用レーンが整備されているにもかかわらず、そのすぐ横の歩道を走行しているケースもよく見かけます。理由は「レーンの存在に気づいていない」「歩道の方がなんとなく安全に感じる」など人によって様々だと考えられますが、いずれにせよすぐ隣に合法な走行スペースがあっても歩道を選んでしまうという行動パターンが実際に観察されています。
共通する原因:「車道を走る」という前提そのものが定着していない
3つのパターンに共通しているのは、逆走という個別の間違い以前に、「自転車は車と同じ方向・同じルールで車道を走るもの」という大前提が観光客に伝わっていないことです。日本の自転車文化(歩道通行が事実上の標準)をそのままハワイに持ち込むと、歩道走行・逆走のどちらも「特に気にせず」やってしまいます。
走り出す前に、
①車の流れている方向を確認し、
②車道と同じ向きで、
③歩道ではなく車道か自転車レーンを走る
この3点をセットで意識するだけで、上記のパターンはすべて回避できます。
ローカルが自転車を避ける理由
ハワイのローカルやアメリカ人の多くは、観光客ほど気軽に自転車に乗りません。理由は明確で、ハワイでは自転車も車と同等の交通ルールが適用され、かつ車道走行が基本になるため危険を伴うという認識が広く共有されているからです。
旅行者は「せっかくだからbikiで移動しよう」と気軽に考えがちですが、車道走行に不慣れな場合は特に注意が必要です。交通量の多い時間帯・幹線道路は避け、自転車レーンが整備されたルートを選ぶことを強く推奨します。
電動キックボードの路上放置問題
電動キックボードを指定外の場所に放置すると、事業者から罰金が請求される場合があります。利用後は必ず指定の返却スポットに戻すか、アプリで承認された場所に駐輪してください。
まとめると「車道走行」を受け入れるだけでルールはシンプルになる
ハワイのbiki・電動キックボードで困るのは「歩道を走れない」という1点だけです。車の流れと同じ方向に、車道の右端または自転車レーンを走ることに慣れれば、あとは日本の自転車と同じ感覚で乗れます。
↓bikiで回れるワイキキ・アラモアナ周辺のスポットはこちら↓
自転車・Biki以外にもあるハワイのNG行動もあわせてチェックしておくと安心です:
↓[自転車・Biki以外にもあるハワイのNG行動10選]↓
転倒など、万が一のケガに備えた対処法もチェックしておきましょう
↓[ハワイで緊急事態に遭ったら?完全対処ガイド]↓
FAQ
bikiで歩道を走ってもいい?
ワイキキを含むビジネスエリアでの歩道走行は原則禁止です。車道の右側または自転車レーンを走る必要があります。
bikiにヘルメットは必要?
ハワイ州法では15歳以下はヘルメット着用が義務です。16歳以上は法的義務はありませんが、安全のため着用を強く推奨します。なお、bikiのステーションにヘルメットの貸し出しはありません。
観光客はbikiをどうやって借りる?
アプリまたはステーションのキオスク端末から登録・支払いができます。クレジットカードがあれば当日その場で利用開始できます。
bikiはワイキキのどこにある?
カラカウア通り・アラモアナ周辺・ダウンタウン等に130以上のステーションがあります。アプリ「PBSC」でリアルタイムのステーション位置と空き状況を確認できます。
電動自転車(e-bike)と電動キックボードのルールは同じ?
異なる場合があります。電動自転車の種類(クラス1〜3)によってルールが変わります。利用する車両の仕様を事前に確認してください。
bikiのアプリは日本語対応している?
アプリ「PBSC」は基本的に英語のみです。一方、各ステーションのキオスク端末は日本語表示に対応しており、画面の国旗アイコンをタップするだけで切り替えられます。英語に不安がある場合は、アプリより現地キオスクでの操作の方がスムーズな場合があります。
一次参照ソース
記事内で引用している法令・公式情報の一次ソースをまとめています。
ハワイ州法(Hawaii Revised Statutes)
HRS §291C-142 自転車は「車両」として扱われる
HRS §291C-148 ビジネス地区の歩道走行禁止
HRS §291C-150 15歳以下のヘルメット着用義務
HRS §291C-147 夜間ライト・反射材の規定
HRS §291C-145 自転車の対面走行(逆走)禁止
HRS §291C-139 電動キックボード条項
HRS §291E-1 vehicleの定義
ホノルル市条例(Revised Ordinances of Honolulu)
ROH §15-18.7 ビジネスエリアの歩道走行禁止
ROH §15-4.6 ワイキキの歩道走行全面禁止
biki公式
料金プラン・ステーション情報
PBSCアプリ・キオスク操作方法
免責事項
本記事は、ハワイ州法(HRS §291C章)、ホノルル市条例(ROH §15-18.7・§15-4.6)、ホノルル市交通局(DTS)公式サイト、bikiシステム公式サイト(gobiki.org)をもとに、2026年7月時点で確認できる情報を整理したものです。
自転車・電動キックボードの交通ルール、biki・電動キックボードの料金プラン、アプリ・キオスクの仕様は、事業者・行政の判断により予告なく変更される場合があります。本記事の情報と現地の実際の標識・キオスク画面の表示・警察官の指示が異なる場合は、必ず現地の表示・指示を優先してください。
自転車のDUI(飲酒運転)適用可否については、一次ソースで断定できる情報が得られなかったため、本記事では確定的な記載を避けています。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言を提供するものではありません。




